カテゴリ: 自然 地域: 丹南 記録者: きしやん (登録日: 2017/04/02 更新日: 2019/07/04)
今年は1月半ばの大雪&大寒波のせいか開花が2週間ほど遅れたようです。梅は今でこそ野生化したものもあるほど身近な植物ですが、白梅は8世紀頃の奈良時代に中国から渡来したもの。その根拠は「古事記」「日本書紀」「風土記」などの書物には梅の記載がなく、「万葉集」になってようやく登場してるのだとか。でも3巻以降は117首も詠まれており、萩に次いで多いそうです。まあ〜デビューしていきなりトップ3入りしたようなものでしょうか。 その根拠を補強するものとして、あれだけ多くの歌を残している柿本人麻呂が梅を1首も詠んでいないこと。 彼は7世紀末〜8世紀初頭に活躍した歌人です。また万葉集には白梅しか出てこないそうですが、清少納言の「枕草子」には「木の花は 梅の 濃きも薄きも 紅梅」と書いているので、平安時代には紅梅があったことになるとか。ここでは濃い紅色でも薄い紅色でもとにかく紅梅が良いと、きっぱりと言い切ってることから彼女の勝ち気な性格が垣間見えるようですね。さすがに紫式部さんと宮中の覇権争いをしただけのことはあります。ただ白梅の名誉?のために補足すると彼女は単に紅梅が全てにおいて優ってるということではなく、香りに関しては白梅に軍配を挙げてたそうです。はて??? いつも撮影時に嗅いではいるけど、同じような・・・で、ネットで検索すると洗剤メーカー大手の花王が7年も前に独自の解析技術でその結果を発表されてましたよ。 http://www.kao.com/jp/corp_news/2010/20100121_001.htmlサイト下段の「研究結果」によると、やはり香りは白梅の優勢勝ちでしたね。これには驚きました。つまり平安中期の“紅梅は色に取られて香りは白梅には劣る”という認識は正しかったということになります。そうなると彼女は紅梅をグイグイと猛プッシュしながらも、色鮮やかな紅色を持ちながらも、白梅にも匹敵する香りを持つ紅梅は総合力では断然優秀なのですよと称えた歌と解釈するのが穏やかでしょうね。ちなみに僕はといえば撮影後は梅→梅干しの思考がフラッシュバックして、久しく(禁忌事項の)ウナギを食べてないことに気づいた次第です。外国産でも結構な価格ですしね。いやはや凡人には王朝人の花鳥風月を愛でるのはなかなか難しいもんですなあ。。。
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