地域: 篠山 記録者: きしやん (登録日: 2017/06/21 更新日: 2019/07/04)
晩春から初夏にかけて鮮やかな黄色い花を咲かせる金糸梅(キンシバイ)。 原産は中国で5弁の花びらの真ん中に広がる黄色いオシベを金糸にたとえ、その形状が梅に似ていることからこの名がついたそうです。 漢名は「金絲梅」でそのまま音読みしていることになります。 渡来時期については平賀源内の「物類品隲(ひんしつ)」の記述などから江戸中期の宝暦10年(1760年)とされてましたが、それより50年程前の貝原益軒の「大和本草」(1709年)に「金糸梅」として記述があるとか。 オトギリソウ科の仲間で学名は「ヒペリカム」、日本での属名はオトギリソウで漢字で書くと「弟切草:オトギリソウ」。これには逸話があります。 平安中期に京都にいた先祖代々鷹匠を家業としている兄弟が、鷹の傷を治す家伝の秘薬としてこの草を煎じて用いてきたのですが、家の者以外には決して口外してはいけない秘伝中の秘伝とされていました。おまけに?それは人間にも効能があったとか。 ところがある日のこと、弟は酒に酔ってついその薬の秘密を他人に話してしまった。 そのことを知った兄は非常に怒って、怒りにまかせて刀で弟を斬り殺してしまいました。 先祖代々伝わる秘宝の薬は薬師草と呼ばれた薬草でしたが、その悲しい出来事以来、この薬師草のことを弟切草と呼ばれるようになったそうです。 ただ思うに一族のトップシークレットを多少の酒を飲んだくらいでその弟は口外してしまったようには僕的にはどうも思えない。 さらに検索するとそれを漏らした相手は同じ鷹匠仲間の妹だったということが判明! こりゃなんかあると思うほうが自然ですよね。 たぶん弟は「まあ〜これくらいならエエだろう」と思う事柄でも、聞き手がある目的をもって幾つか丁寧に繋いでいけば大きなヒントになることはあり得ること。 嘘は聞くたびにコロコロ変わるけど本当のことは何度聞いても同じのはず。 まあ〜そのおかげでその薬が広く人々の手に渡るようになったんですが、それにしてもそれを以て即座に処刑されるとは中世とはいえ怖い!! 自分など酒が入ると座興でついついここだけの話がその3、その5となってしまうことを思えば今の時代に生まれてて良かったなあ〜と思います。 いやマジで。。。
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