地域: 篠山 記録者: きしやん (登録日: 2017/05/23 更新日: 2019/07/04)
梅雨が近づいてくると水辺を華やかにしてくれます。ハナショウブ(花菖蒲)の黄色バージョンということになりますが、紫色と比べると明るく元気な印象ですね。古来よりショウブは邪気を払うとされ、奈良時代に宮中で丹後の節句に飾ったことが記されてるとかで武家社会となってからは菖蒲(しょうぶ)、すなわち尚武(武を尊ぶ)に通じるとされ、男の子の健やかな成長と家の発展を願うシンボルのようになったとか。今では日本各地に野生化してるほどお馴染みですが、ヨーロッパ原産の帰化植物。とにかく生命力&繁殖力が抜群で、日当たりの良い湿地なら排水溝の近くでも自生するという逞しさで、かなりの乾燥にも耐久性があるそうですよ。早い話がこのままでは日本の在来種を駆逐してしまう恐れがあるので、環境省の要注意外来生物に指定されています。見つけたら駆除が望ましい・・・って、ここまできたらもう遅いやん!!アヤメ科の檜扇(ヒオウギ)と同じくキショウブも咲き終わると花をネジって萎みます。これは強制的に自家受粉させるためと思われます。ところが同じアヤメ科でもアヤメやカキツバタはこのようにならないとかで、やはり昆虫に頼る受粉方式よりは自家受粉方式のほうが確実性は上ということかと。ネットで調べると野生化してるキショウブの殆どは過去にビオトープなどで繁殖したもので、人間が勝手にそこに捨てたものがそのまま自生をしてるだけのもの。だから足が生えて勝手にそこからウロつくことは皆無。同じ特別外来生物でもオオキンケイギクがすぐに駆除されたのとは雲泥の差ですね。そもそも自然界に有害か無害かは人が勝手に決めたことで、気の遠くなるような地球年代で見れば今も存在してるということは何らかの役には立ってるのでしょう。人間が故意に持ち込んだものもあるし、船や環境の変化で入ってきたのもあるはず。僕的には100年かそれ以上も前のことなら、もう外来種というよりは「亜・在来種」と呼んでやりたい気分なんですがねえ。。。
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